
(本人コメント)
この度、「第30回植村直己冒険賞」を受賞させていただきました。
「植村直己冒険賞」は、世界的冒険家である故・植村直己さんの精神を受け継ぎ、冒険・探検・アウトドアスポーツの分野において、未知に挑んだ日本人の勇気ある創造的な挑戦へと贈られる賞です。
歴代受賞者の方々と比べると、自分でいいのか…と身に余る思いですが、やはりいちアウトドアーズマンの端くれとして、今回の受賞はとても嬉しいです。
先月下旬、受賞の連絡をいただいた時、偶然にも「青春を山に賭けて」を読み返していました。
直接お会いすることは叶わなかったけども、植村さんは明大登山部の出で、奇しくも僕はその明大の付属校で育ちました。
自分の挑戦は、なんてことはない極めて個人的な挑戦です。
「あそこに潜ったら、一体どんな世界が広がっているのだろう。」
「一体どんな大物がいて、そいつに勝負を挑んだら何が起こるんだろう。」
無限に広がる青の世界への好奇心。
息を止め、自分と魚、一対一で繰り広げられる命の駆け引きの世界。
大きな魚へのどうしようもない憧れと、「海と対等にありたい」思い。
その過程で稀に出会う、「海が自分だけに秘密を見せてくれる瞬間」が忘れられない。
本当にただ、それだけのことです。
今まで潜ってきた海、向き合ってきた魚たち、そして出会った全ての人たちが、いちハンターとしての今の自分を作ってくださいました。
皆さん、本当にありがとうございました。
どれか一つでも欠けていたら、「100kgのイソマグロ」はなかったし、今回の受賞もありませんでした。
育ててくれた友人や家族。
情熱に薪をくべてくれた海の仲間たち。
お世話になっている島の方々や船長さん。
過去五年間、共に挑戦を続けてきたドキュメンタリー映画「Mission100」のクルーの皆。
ここには書ききれない、関わってくれた全ての人たち。
ありがとうございました。
不思議なことかもしれませんが、11年にわたって追いかけてきた100kg越えのイソマグロを仕留めた時、真っ先に頭に浮かんだのは、”小学校の時に一緒に遊んだ、今は連絡先も知らない友達”の顔でした。
何分ハンティングの世界ですからアングラな業界ではありますが、魚突きという極めて原始的で地味である行為そのものが秘める、”冒険的な精神性”そのものにスポットライトを当てていただいた、そんな認識でおります。これまで先輩方が積み上げてこられた「日本の魚突き」、その歴史を代表して自分に焦点を当てていただいたという気持ちです。
SNSなどでの発信が好きではない自分の活動をどこからか見つけ、取り上げてくださったメディア関係者の皆様にも感謝しております。皆様、どうもありがとうございました
社会との接点が増えてきたとしても、だからこそ賢くならず、どこまでもシンプルに。
そして「海に潜って魚を捕える行為そのもの」への情熱の純度にのみこだわって、これからも「海の秘密」を探して旅を続けていきたいと思っています。
たった100ドル余を握りしめ「あるぜんちな丸」へと乗り込み、遠征資金を貯めるために渡米した、あの日の植村さんのように。
「2025植村直己冒険賞 受賞者が決定しました」(兵庫県豊岡市サイトより)
