お世話になっている皆様、こんにちは。
腱鞘炎のため、しばらく潜りをお休みしています。水温が上がって夏めく海中を思うと、いてもたってもいられません。が、この機会にしっかり治すしかありません。
さて、雑誌BRUTUS・7月1日号『冒険者たち』に、インタビュー記事が掲載されました。インタビュアー&ライターの小林百合子さんに、とてもカッコよく(カッコ良すぎて恐縮ですが…)書いていただきました。ありがとうございます。
これまでの話、そして今年の遠征で遭遇した、ある忘れられない魚との出会いについて話しました。あの魚には勝てない運命だったと、今でもそう感じます。
カバー写真は、昨年手銛で仕留めた90.8kg/186cmのイソマグロ。 写真家の山口耕くんの撮影です。耕くん、いつもながらいい写真撮るよなぁ。あんま潜れないしカメラ忘れるけど(笑)ありがとう。
3年ぶりに自己記録を更新したのはもとより、「自分のやってきたことは間違ってなかった」と思わせてくれた特別な魚です。健康で、とても怖い顔をした、いいマグロでした。知らない世界を教えてくれました。そして今までで一番美味しかった。
大物を仕留めるというのは、とても難しい。自分の実力と勘、船長さんや地元の方初め色々な人のご尽力…etc 全てが全て噛み合った上、最後の最後に「海のご機嫌」が良くないと生きて仕留めきることは叶わない。決してラッキーだけで獲れることはないけど、ラッキーである必要があります。だからこそ、海からの特別な贈り物のような気がするから、夢を見ることをやめられません。
どこで、どんなやり方で仕留めるか。そこにこだわりや美学があります。ただ大物を獲りたいのではなく、自分の思うなるべく「美しい」形で大物を仕留めたいー
僕の内側にずっとあるそんな思いは、バックカントリー・スキーヤーが未滑走斜面に美しいラインを引きたいとか、ビッグウェーブ・サーファーが大波に美しく乗りたいとか、クライマーが未踏壁に美しいラインを引きたいとかと、同じものかもしれない。この雑誌で他の「冒険者たち」の話を読み、思ったのでした。
BRUTUS・7月1日号『冒険者たち』、全国の書店やコンビニでも手に入るようなので、ぜひ手に取ってみてください。
小坂 薫平
